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Mentor Interview | ギブ・アンド・ギブの精神でスタートアップと大手企業の共創を支援

2021/11/15

ギブ・アンド・ギブの精神でスタートアップと大手企業の共創を支援。より良いサービスが少しでも増えていく世の中を作りたい

アビームコンサルティングで同社初となるIC職(Individual Contributor)として、業界横断的な新規事業創出や、スタートアップ×大手企業の共創支援、NewTech活用によるイノベーション支援など幅広い領域で取り組まれている吉田知広氏。Plug and Play Japanには約3年前からメンターとして参画し、長年の経験により培ってきた知見と豊富な人的ネットワークを活かし、スタートアップと大手企業の橋渡し役として多くの企業を支援しています。今回のインタビューでは、吉田氏にメンターとして活動される中で感じている価値や心がけていること、今後の展望についてお話を伺いました。


吉田知広(Kazuhiro Yoshida)

アビームコンサルティング株式会社 NewTechアドバイザー(新規事業開発・共創領域担当)

大手信託銀行(金融教育・FinTech活用等の新サービス企画・開発の経験等)を経て、2018年から現職 ①スタートアップ企業との実証実験、②新たなテクノロジーの活用による新規サービス・事業創出、③大企業同士の共創支援、④自社アイデア創出による新規事業提案等、新規事業開発・共創企画に従事(プロジェクト/アドバイザー経験多数)


ーー簡単に自己紹介をお願いできますか。

前職では金融教育や資産形成等のサービス企画に加え、FinTechという言葉が認識され始めたころにFinTech推進にも携わることができ、とても良い経験ができました。アビームコンサルティングには約3年半前に入社し、現在は「NewTechアドバイザー(新規事業開発・共創領域担当)」として業界横断的に新規事業立案や大手企業とスタートアップの共創支援など、当社のスタートアップ共創支援を担っているチームとも連携しつつ、幅広く活動しております。具体的には、ある事業領域の未来を想像し、各業界の今後の可能性や課題を抽出し、その分野に精通したコンサルティングと新規事業の企画を創案します。そしてクライアントに加えて、新たなパートナーとなりうる企業に対して共創提案を行う活動をしております。

ーーPlug and Play Japanのメンターとして活動するようになったきっかけについて教えてください。

インクルージョンジャパン株式会社の取締役であり、Plug and Play Japanのメンターもされている吉沢康弘さんに、これまでの私の経験をシェアするようなイベントを開催していただきました。それをきっかけに、Plug and Play Japanでも同様のイベントを開催していただき、そのご縁からメンターとしての活動のお声掛けがありました。
私自身、前職でFinTech推進を任された際に経験や人的ネットワークが全くない中で非常に不安でしたが、さまざまな場面で周りの方々に助けていただいた経験があります。また、新サービス立案や新規事業創出に携わる中で、実証実験(PoC:Proof of Concept)の難しさや苦しさは良く理解していたので、大手企業とスタートアップを橋渡しする役割として、共創する上での課題解決に少しでも貢献し、世の中により良いサービスが溢れていくことを願って、ぜひ挑戦しようと思いました。

ーーメンターとして活動されるメリットや価値とは何でしょうか?

Plug and Play Japanというブランドのもと、メンターを担うことで自分自身の活動範囲が広がりました。特に、年間200社以上のスタートアップを採択しているPlug and Play Japanのコミュニティにいると、企業パートナーやスタートアップとのコミュニケーションにより、業界トレンドを掴みやすくなるという面白みも感じています。例えば、Plug and Play Japanが採用しているスタートアップの傾向を分析する中で、FinTechであればチャレンジャーバンク領域のスタートアップが強めに出ている、MobilityであればCleantech系、HealthであればFemtech系など各業界動向を肌で感じられ、注目領域が必然と見えてくることが非常に興味深いです。常に新しい発見があるのでメンター冥利に尽きると思います。

ーーメンターとして心がけていることはありますか。

ギブ・アンド・テイクではなく、ギブ・アンド・ギブの精神でメンターとして活動しようと思っています。大手企業、スタートアップの立場に関係なく、抱えている課題や相談には共通項がありつつも、基本的には千差万別です。だからこそ、全力でサポートしていくやりがいを感じますし、私自身の新規事業創出活動にも関連することも多く、勉強にもなります。
「大手企業出身者だからスタートアップの気持ちが分からないのでは」と思われる方もいるかもしれませんが、新規事業創出や共創支援を行う中で多くのスタートアップとコミュニケーションを取ってきました。両者の視点や考え方が分かるからこそ、メンタリング開始時には課題やボトルネックになっている部分を丁寧にヒアリングしています。
一方、課題を定義することは意外に難しく、実際に困りごと自体が分からないという方も実は多くいます。そのため、多角的に質問をしてその方々が置かれている状況や課題を因数分解していき、私が持っているナレッジの活用や、多くの人的ネットワークを通じて課題解決に適切なパートナーをご紹介するなど、可能な限り最適解を見つける糸口をご提案するようにしています。

ーーこれまでの経験の中で、大手企業のイノベーション活動やスタートアップとの共創における変化は感じていますか。

社内の巻き込み方や、長期にわたり継続的に取り組むことが必要なオープンイノベーションにおいて、早々に結果や活動意義を問われることで、担当者が苦心している状況など、基本的な課題感はあまり変わらないように思います。

一方コロナ禍では、対面で会う機会やイベントを介しての出会いが極めて少なくなり、ネットワーキングにおける悩みの質がだいぶ変わってきたかと思います。
コロナ前は気軽に出会えるものの、なかなか成果に結び付かないという悩みが多かったのですが、直近はリモート環境が促進され、遠方にいる方々との出会いが増え、容易に接点を持つことができる一方で、オフラインのように密な関係を構築することが難しいことや、きっかけ作りに悩まれている方々が多い印象です。
また、ここ数年では大手企業でイノベーションを推進している担当者の経験値も相当上がっているので、以前に比べるとスタートアップが持つ技術の目利き力や、社内の調整力なども高くなってきており、「まずはやってみなさい」精神で踏み出す一歩一歩の質も変わってきているように思います。

ーーメンターとして記憶に残っているエピソードはありますか。

Plug and Play Japanのアクセラレータープログラム期間中、同じスタートアップが3回連続でメンタリングセッションに参加し、その度に経過報告をしてくれたことがありました。その際、少しずついい方向に進んでいる報告を受けるたびに、メンターとして役に立てているように感じ、非常に嬉しかったことを覚えています。
またプログラム卒業後は、プログラム期間に比べて採択スタートアップとのコミュニケーション機会は減ってしまうのですが、卒業したスタートアップからプロダクトローンチの報告や、「メンタリング時のアドバイスがあったからこそ提案が上手くいった」などの言葉をいただけた時は、格別の思いです。そういう時こそ、Plug and Play Japanのプログラムが活かされていることを非常に感じます。

ーー今後の展望について教えてください。

スタートアップと大手企業の共創だけではなく、今後は大手企業×大手企業、大手企業×スタートアップ×スタートアップなど、業界を越えた複数企業同士のコラボレーションが主流になってくると思います。複数企業同士のコラボレーションの構築は難しいとは言われていますが、果敢にチャレンジしたいと考えています。一方、複数企業同士となると、まずはリーダーを決め、決まったリーダーに従っていくような構造になってしまいがちなので、もう少しフラットな共創体制を整えていける仕組み作りにも尽力していきたいと考えています。
ぜひPlug and Play Japanのパートナーとして参画している企業の皆さんと一緒に新しいものを作っていきたいですし、これまで積み上げてきたご縁を大切にしながら、大手企業とスタートアップの共創が加速するように、メンターとしても支援を提供し続けていきたいです。

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