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2022年注目のTop10デジタルヘルススタートアップ

2022/04/04

ここ数年、医療制度は疲弊しています。2022年はヘルスケアの提供方法を近代化させ、新しいテクノロジーに対応させていくための投資が継続される年となるでしょう。
これからご紹介するスタートアップは、今後1年間の主要な業界トレンドを表しています。


Harunori Oiwa

Ventures Associate

(本記事は、Plug and Play HQのブログ記事を翻訳したものです。)


Gaja Health

ガジャ ヘルス

http://gogajahealth.com/

パンデミックにより、医療のエコシステムにおける不公平性にスポットライトが当てられました。
健康の社会的決定要因(SDoH)とは、健康や生活の質のさまざまなリスクや今後の状態に影響を与える社会的・経済的条件のことで、流行語になりつつあります。
Gaja Healthは、メディケイド(アメリカの公的医療扶助制度)において「エマージングリスク※1」と分類される会員に対して公平なホールパーソン・ケアを提供するバーチャルファースト(インターネット上で主なサービスを展開する)ヘルスケアプロバイダーです。同社の予防サービスは、信頼の置ける地域のコミュニティ・ヘルスワーカー(CHWs)が主導し、各会員の最優先項目にもとづき、健康に関連した社会的ニーズに対してコーチングとサポートを提供します。

※1 エマージングリスク:現在は存在/認識されていないが、外部環境の変化などによって新たに出現/変化するリスクのこと

臨床/行動面の健康格差が確認された場合、文化的能力に長けたヘルスケアプロバイダーの社内チームや地域コミュニティとの連携を通じて対処します。
Gaja Healthは、会話型AI、機械学習、カスタムビルドソフトウェアを活用し、顧客のためにヘルスケアの質的向上、より良いデータの提供、コストの削減を迅速に実現するCHW人材を構築しています。

Gabbi

ギャビィ

https://www.begabbi.com/

米国では、年齢や人種を問わず、診断の遅れにより毎年38,000人の女性が乳がんで亡くなっています。これはパンデミックの影響を考慮する前に算出されたものです。貴重な命を奪うだけでなく、医療システムにも多大な負担を強いています。診断の遅れとそれに伴う医療費により、支払者は1,630億ドルものコストを負担しているのです。

Gabbiは、AIを活用したコミュニティベースのアプローチにより、病気に対して包括的な評価と管理を行うことで、この2つの問題の解決を目指します。
有意義なデータを集約し、パーソナライズされた評価、テーラーメードのアクションプラン、参加しやすいコミュニティを提供します。

Gabbiのミッションは、女性が自身の身体を理解し、健康を管理し、必要なケアを事前に調べられるようにして、診断の遅れや病気の発生率を減らすことです。
乳がんから始め、今後は他の(予防可能な)がんや、子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群のような予防可能な疾患にも対象を広げていく予定です。

Prenome

プリノーム

https://www.prenome.com/

治療の判断材料として遺伝子検査の活用への期待が高まる昨今、DNAは医療において重要な役割を果たすようになっています。

Prenomeは、遺伝学と健康の社会的決定要因を用いて女性の健康問題の可能性を予測し、使いやすくインタラクティブかつ研究に裏付けられたコンパニオンアプリ(治療の前にあらかじめ検査するためのアプリ)を通じて、女性の健康リスク管理を支援します。
Prenomeは、妊娠合併症から慢性疾患までの幅広い問題に対応する予定ですが、初期段階として”妊娠糖尿病”という一般的で重大な問題に取り組んでいます。

妊娠糖尿病の女性には、食事や間食、血糖値を記録するための時代遅れのパンフレットや説明書、日記などが配布されているのが現状です。Prenomeは、妊娠前または妊娠初期に妊娠糖尿病のリスクが高い人を特定し、高血糖につながるホルモンの変化を防ぐことができます。

Drift Biotechnologies

ドリフト バイオテクノロジーズ

https://www.driftbio.com/

ゲノミクスの人気が高まる一方で、この分野はデータ解析に関して大きなハードルに直面しています。数千行にも及ぶスクリプトを書いたり、カスタマイズされた参照データを維持するために、高コストで専門的、かつ採用が難しい労働力の確保が求められているのです。

Drift Biotechnologiesは、微生物ゲノムを迅速かつ容易に解析するソフトウェアをクラウド上で構築しています。
既にバイオインフォマティシャンがいる企業では、同社が煩雑な作業を省き、バイオインフォマティシャンがより高次の作業に集中できるよう業務を効率化します。
また、シーケンサーを持っている企業では、新規ハードウェアを購入することなく、微生物検査用の新しい製品ラインを追加することができます。

MajorBoost

メジャー ブースト

https://www.majorboost.com/

あらゆるコールセンターがAIを使用してお客様を順番にご案内するようになり、人間でない相手に対してタスクを完了させるのにイライラしたり時間がかかったりするようになりました。医療機関にとっては、保険の照合や給付/請求に関する質問は、患者をサポートするうえで手間のかかる作業です。

スタッフの疲労と人手不足がかつてないほど高まっている今、医療従事者がより効率的に働けるような技術的なソリューションが求められています。

MajorBoostは、保険に関する電話を自動化し、ユーザーが必要とする情報を便利なフォーマットで提供します。

DeepScribe

ディープ スクライブ

https://www.deepscribe.ai/

医療従事者にとって大きな頭痛の種となっているのが、カルテの作成です。対面であれ遠隔診療であれ、医療者は診療予約、処方箋、紹介状や次のステップなどを電子記録に残す必要があります。

DeepScribeは、AIを利用して、医師が電子カルテの記入に費やす時間を短縮し、より正確な結果を出すことができます。

音声技術の利用はサーナーのように増加すると予想されています。電子カルテの大手企業であるサーナーは、臨床用音声アシスタントを医師に拡大する計画を発表し、スマートホームデバイスを介して投薬リマインダーやケアトリアージなどで患者を支援する同様の技術を提供しています。

Redi Health

レディ ヘルス

https://www.redi.health/

医療現場ではいまだにFAXを主流にしていたり、患者が就業時間中で病院に行けない時間帯にしか稼働していない場合もあります。薬にアクセスし、服用を継続するために特別なサポートを必要とする患者にとって、こうした障壁は処方箋の放棄につながります。

Redi.healthは、製薬会社に登録された患者に、シンプルでインパクトのあるライフスタイルツールとなる健康管理プラットフォームを提供し、日々のトータルヘルスケアを促進します。

Peachy

ピーチィ

http://peachypay.com/

ヘルスケアはより身近になり、文化的な配慮も進んでいますが、請求や支払いといった重要な分野においてはまだ遅れをとっています。

タクシーの手配、食料品の配達、小売店での後払い(Buy Now Pay Later, BNPL)プランの設定などは、現代ではすべてスマートフォンで快適に行うことができます。しかし、医療費の請求書を受け取り、理解し、支払おうとするとどうでしょう。非常に大変です。

Peachyでは、請求書のデジタル化、メッセージ配信、自動支払プランの活用により、患者が医療費を一括でも分割でも、迅速かつ簡単に支払えるようにします。
患者負担分の支払い金を回収するためにいまだに紙の請求書の郵送に頼っている中小規模の医療機関の大半は、Peachyを利用することで回収率を高め、患者に合った、近代的で苦痛のない支払い体験を提供することができます。

Dyad

ダイアード

https://www.dyad.net/

データの相互運用性が医療業界で議論され続ける中、自動化の新しいソリューションは、データのコラボレーション、可視性、信頼性を強化する重要な改善策を提供します。

DyadはAIを活用したナレッジグラフにより、医療業務データをほぼリアルタイムで標準化・文脈化し、事務処理の煩雑さ、医療ケアプランのコーディネート、支払者-提供者のワークフローに対応するアプリケーションを提供しています。

ヘルスケアオートメーションに期待するもう一つの理由は、バリューベースのケアモデルへの変革において、これらのソリューションが果たす役割です。

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