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Meet the Startups: 金融・バックエンド領域で注目のスタートアップ6社

2023/08/07

Plug and Play Japanでは、2023年6月〜2023年9月期のアクセラレータープログラムSummer/Fall 2023 Batchが進行中です。今回は、Fintech分野*1で採択された国内のスタートアップ6社を紹介します。与信サービス、債務管理、家族信託組成といった資産にまつわるソリューションを提供する3社に加え、教育や福利厚生といった観点から企業の成長支援や社会課題を解決する3社となっています。

 

*1 Plug and Play Japanのアクセラレータープログラムでは、企業パートナーの注力分野や技術ニーズに基づいて、「バーティカル」と呼ばれる業界テーマごとにスタートアップを採択している。2023年7月現在ではFintech(金融サービス), Insurtech(保険), Mobility(自動車・運輸・物流), Health(医療・製薬), Smart Cities(建設・不動産), New Materials(素材・化学), Energy(エネルギー), Food & Beverage(食品・飲料)の8バーティカルを運営。


Writer: Seoyeong Lee

Marketing & Communications Intern


Fintechプログラムとは?

フィンテックはもともと、既存の金融機関の持つ機能をアンバンドリング(分割・切り離し)し、デジタル化することでより高度なサービスを提供するものとして発展してきました。

Plug and Play JapanのFintechプログラムでは決済、オープンバンキング、アセットマネジメントといった金融サービスにおけるイノベーションを促進しつつ、また金融を支えるバックエンドのインフラシステムのDX、エンタープライズ向けの業務改善ソフトウェア、また金融サービス以外での新規事業開発といったソリューションを展開するスタートアップと大手金融機関との連携を推進しています。

採択スタートアップ紹介

1. Crezit Holdings : SaaS型与信ビジネス基幹システム「CaaS(Credit as a Service)」を開発・提供

会社概要

企業名:Crezit Holdings株式会社

所在地:東京都港区

代表者名:矢部 寿明氏

Website:https://crezit-holdings.com/

 

Keyword:#エンべデッドファイナンス  #与信ビジネス #金融サービス立ち上げ

Crezit Holdings は、与信ビジネスの構築に特化したSaaS型基幹システムを開発し、提供しているスタートアップです。非金融事業会社を対象に、自前の金融サービス立ち上げに必要なプラットフォームを提供しています。

金融領域以外の事業会社にとって金融サービスの立ち上げは非常に難易度が高く、開発・導入に膨大なコストを要します。加えて、既存のシステムを基幹から変えることは、企業にとって大きな負担となります。同社は、金融機能を既存のサービスに組み込むエンべデッドファイナンス(Embedded Finance)の仕組みを用いてこのような課題を解決します。事業会社は本システムを導入することで、基幹システムを変更することなく、自社の既存ビジネスに馴染む形で、容易かつ安価に自社の与信サービスを構築することができます。また、同社は消費者向けローンに特化したSaaS型事務管理システム「ZEN」も提供しています。本システムにより、消費者も複数のシステムを介することなくレンディング等を行うことができるため、非常にユーザビリティの高いサービスとなっています。

非金融事業会社の金融サービスの立ち上げにおける心強いパートナー、Crezit Holdingsにぜひご注目ください!

2. Easy Technology: 債権回収督促の最適化SaaS、「Easy」を提供・開発

会社概要

企業名:株式会社Easy Technology

所在地:東京都渋谷区

代表者名:三宅 俊也氏

Website:https://easy-tech.co.jp/

 

Keyword:#債権管理 #ワークフロー最適化 #DX

Easy Technologyは信販会社や金融機関、保険や不動産などの融資サービスを提供している事業会社を対象に、最適化された債権回収と督促のプロセスを提供し、効率良く債権回収ができるようにサポートします。

ホテルやレストランのキャンセル料、保険料、賃料、電気代など、債権回収業務は業界を問わず発生している中で、近年の少額融資事業者の増加に伴い、債務不履行や、悪用などが社会課題化しています。

Easy Technologyは、この課題を解決すべく、与信判断や取引成立に比べて、デジタル化が進んでいない領域である債権督促・回収業務に着目し、機械学習を用いて効率化を図ることでアナログで属人的な仕組みからの脱却を目指しています。同社が開発した債権回収督促最適化SaaSは、督促プロセスと業務を自動化してコストを削減し、最適な手段を適用することで回収確率を高めています。アルゴリズムで顧客を初期延滞、中期延滞、長期延滞などでカテゴリー分けし、それぞれに最も有効な督促手段をAIで判断して適用したり、返済をトラッキングしたりするなど、債務管理のプラットフォームの役割も果たしています。

Easy Technologyの革新的なチャレンジにも要注目です!

3. ファミトラ:認知症による資産凍結を防止するための、家族信託組成をサポートする事業を展開

会社概要

企業名:株式会社ファミトラ

所在地:東京都港区

代表者名:三橋 克仁氏

Website:https://www.famitra.jp/

 

Keyword:#エイジテック #リーガルテック #資産管理

ファミトラは家族信託組成に必要なサービスを、アルゴリズムでコモディティ化し、安価で提供する会社です。

認知症が進み意思能力が低下すると、金融取引や手続きなどの法律行為が制限されます。この問題に対応する仕組みとして成年後見制度がありますが、弁護士の選任が必要なため、継続的に高額な費用が発生します。また、資産に関する権利を家族に与える家族信託制度もありますが、複雑で料金が高いとの理由から普及していないのが現状です。

ファミトラは弁護士による監修を経たAIアルゴリズムを使うことで、家族信託組成までの工数をDX化。組成までにかかる時間・費用を大幅に削減し、手続きの煩雑さを解決する仕組みを開発しました。また契約書の作成は全件、弁護士が対応するためクオリティの高い仕組みを安くご提供することを実現しています。ファミトラを使うことで、誰でも安価で気軽に認知症による資産凍結に備えることができるのです。

高齢化社会特有の課題の解決に貢献するファミトラの今後が楽しみです!

4. はたらく部: 中高生のキャリア教育部活のプラットフォームを提供

会社概要

運営会社名:株式会社アルファドライブ(協力:株式会社NTTドコモ 39works)

所在地:東京都千代田区

代表者名:山本 将裕氏

Website:https://hataraku-bu.jp

「はたらく部」は、バーチャル空間で、現役社会人コーチと同世代の熱い仲間と社会について考えを深める中高生向けキャリア教育のオンライン部活です。全国どこからでも参加可能で、住んでいる地域に関係なく、様々な業界の、都市や地方で活躍している大人から学ぶことができます。

日本の子ども達は、世界的に見ても自己肯定感・効力感が低く、進路決定のタイミングも遅いと言われています。「はたらく部」は、このような課題を解決するため、大人と触れ続ける仕組み「学校でも塾でもない学びのサードプレイス」を提供しています。メタバースの空間で、多様なバックグラウンドを持つコーチとともに、中高生たちが企業課題解決、起業シミュレーションなどの70種類以上のセッションを通して「はたらく」を体感することができます。企業と共同ワークショップを企画することも可能で学生への企業ブランディング、認知向上にも活用できます。

社会全体で新時代を生きる子ども達を支え・育てる環境を作り、将来に希望が持てる社会の実現に寄与する「はたらく部」に期待してください!

5. 株式会社LX DESIGN: 教育特化型外部人材のマッチングサービス「複業先生」の提供

会社概要

企業名:株式会社LX DESIGN

所在地:東京都千代田区

代表者名:金谷 智氏

Website:https://lxdesign.me/

 

Keyword:#出前授業DX #副業推進 #人材マッチング #外部人材活用

LX DESIGNは、教員不足を解決するために、副業で先生をしたい人と学校をつなぐマッチングサービス「複業先生」を提供している会社です。

近年、教育課題が多様化する中において、学校に求められるニーズが複雑化・困難化し、教員の長時間労働が深刻化しています。過度な業務負担による過労は休職・退職者の増加に繋がり、学校現場における欠員を招いています。各自治体において、教育に有用なスキルや経験を持つ人を活用する仕組みが広がっていますが、複雑なプロセスや準備にかかる負担等から大幅な解決には至っていないのが現状です。

LX DESIGNは、教員だけでは手が回りづらかったキャリア教育、探究学習・総合的な学習、プログラミング・グローバル・IT・起業教育・金融教育・性教育などの各領域において、民間人材の知見やネットワークを手軽に活用することができる仕組みを構築しています。教員探しから授業提供まで、出前授業の発注までの流れを一気通貫して行うとともに、専門のコーディネーターが伴走することで授業準備の効率化も実現し、学校の教員がよりスムーズに授業をアウトソーシングできるようにサポートしています。

LX DESIGNが学校現場にもたらす変化は見逃せません!

6. nanoni: あらゆる年代・ライフステージを対象に、包括的にフェムテックサービスを提供するプラットフォーム

会社概要

企業名:株式会社nanoni

所在地:東京都港区

代表者名:張 聖氏

Website:https://xxnanoni.com/

 

Keyword:#フェムテック #女性の社会進出 #職場環境改善 #福利厚生

nanoniは、女性のライフステージごとの健康問題と社会システムのギャップを解決するためのフェムテックサービスを包括的に提供する会社です。

女性の社会進出が進む一方で、月経や妊娠・不妊、更年期などのライフステージごとの女性の健康問題とそれに対応する社会システムの間には、いまだに大きなギャップが残っています。例えば不妊治療を受ける女性の4人に1人が、高額な治療費や長期にわたる治療等を理由に、退職を選択しています。女性が仕事とライフイベントを両立できるようにするためには、行政だけではなく企業の努力も不可欠です。

nanoniは法人向けのフェムテック導入支援サービス「carefull」を通じて、さまざまなサポートを提供します。医師による健康セミナーや職場での問題を相談しやすい匿名コミュニティ、オンライン診療などの従業員特典を提供し、女性が声を上げやすくサポートを受けやすい環境を作っています。nanoniのサービスを導入することで、企業は離職を防止し、女性に優しい社内風土を作り、女性の採用を促進することができます。

働く女性が望むライフイベントと仕事の両立を実現していくため、nanoniとともに安心して働ける職場環境を作っていきましょう

Summitのご案内

Summer/Fall 2023 Batchの採択スタートアップを含む、業界のイノベーターが多数参加する「Japan Summit Summer/Fall 2023」は、2023年9月14日〜15日にかけて虎ノ門ヒルズにて開催予定です。Energy投資トレンドについてRound Table形式の対談セッションも行う予定です。どなたでもご参加いただけるイベントとなっておりますので、ぜひご来場ください。

Summer/Fall 2023 Batchに採択された他のスタートアップ詳細については、こちらのブログで随時掲載していきます。お楽しみに!

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