官公庁・自治体とスタートアップの連携事例21件
2023/04/27
岸田内閣が「スタートアップ創出元年」と名付けた2022年。全国の官公庁・自治体ではスタートアップのテクノロジーを取り入れ、デジタル化やスタートアップによる実証実験をサポートする動きが多く見られました。
これまでにPlug and Play Japanのプログラムに参加した国内スタートアップ409社の中から、2022年に発表された官公庁・自治体との連携事例を21件紹介します。
Writer: Anna Primus
Intern
Table of Contents
- はじめに
- このレポートの概要
- 連携事例
①くらし・手続き
②健康・福祉
③子育て・教育
④文化・スポーツ・観光・イベント
⑤環境・まちづくり・防災
⑥交通
⑦産業・ビジネス
- おわりに
はじめに
岸田内閣が「スタートアップ創出元年」と名付けた2022年。全国の官公庁・自治体・公共団体ではスタートアップのテクノロジーを取り入れ、デジタル化やスタートアップの実証実験のサポートを行う動きが加速しています。
複数の地域にまたがる大規模なプロジェクトから、市町村レベルの取り組みまで内容はさまざまですが、それぞれの地域や組織が抱える行政課題・社会課題をスタートアップのテクノロジーを活用して解決するという点については共通しています。
また、経済産業省をはじめとして、行政機関・地方公共団体・独立行政法人によるスタートアップ向けの多様な支援策も拡充されています。たとえば、日本貿易振興機構(JETRO)「スタートアップ・アクセラレーションシティ・プログラム」による海外展開支援など、5年前には存在していなかった新規制度は、スタートアップにとって自社のテクノロジーを社会実装し、その実効性や有益性を検証する機会が拡大していることの象徴と言えるでしょう。
しかしながら、官公庁や自治体とスタートアップとの連携においては「スタートアップのテクノロジーを活用したいが、具体的にどのようなソリューションがあるのかわからない」「他の団体がどのような取り組みを行っているかがわからない」「打ち出した支援策をスタートアップに利用してもらえていない」という現場の声が多く聞かれます。
Plug and Playでは、2017年の日本拠点開設以来、アクセラレータープログラムを通して800社以上の国内外のスタートアップを支援してきました。アクセラレータープログラムを卒業後、それらのスタートアップが自治体や官公庁との連携をおこなっているケースが多くあります。
そこでPlug and Play Japanでは、過去のアクセラレータープログラムに採択された国内のスタートアップ409社が公式に発表しているプレスリリースをもとに、2022年に発表された官公庁・自治体・公共団体との連携事例を50件リストアップしました。その中から以下に21社の事例を紹介します。多様な内容や規模の事例を一覧化することにより、どのような形で連携することが、スタートアップの成長と社会課題解決につながるのかのヒントになれば幸いです。
このレポートの概要
自治体とスタートアップの連携事例をまとめるにあたって、この記事では以下のような方法によって事例を抽出しました。
1)Plug and Play Japanのアクセラレータープログラムに過去採択されたスタートアップ846社の公開情報をリサーチ
2)スタートアップが公表しているプレスリリースの情報をもとに、2021年〜2022年におこなわれた自治体との連携案件100件をリストアップ
3)類似事例や同一スタートアップによる案件を削除
4)50件の連携事例を関連する分野ごとに8つのカテゴリに分類
①くらし・手続き
②健康・福祉
③子育て・教育
④文化・スポーツ・観光・イベント
⑤環境・まちづくり・防災
⑥交通
⑦産業・ビジネス
5)各カテゴリから、代表的な事例を3件ずつ紹介
以下のリンク先では、連携事例50件を一覧にして添付しています。
協業事例一覧はこちら
①くらし・手続き
デジタル化の遅れが指摘されることの多い行政の手続きの、業務効率化に向けたソリューションが見られるのがこの領域です。AIによる議事録の導入や、成年後見人制度の支援といった形でのデジタルサービスの導入が進んでいます。
- 山形県寒河江市役所、自治体DXの一貫で議事録効率化を目的にスマート書記を導入
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000054966.htmll
エピックベースが提供する議事録作成支援サービス「スマート書記」は、対面・Web会議などシーンを選ばず利用でき、録音、AIを活用した文字起こし・話者の分離、議事録作成、共有の業務を一気通貫して効率化できます。このサービスは、都道府県などの地方公共団体を含む累計2500社・団体で利用され、議会・委員会だけでなく日常の会議の議事録作成も省力化します。
- お買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービス「KAERU(かえる)」と加古川市、加古川市社会福祉協議会が「KAERU」導入による実証実験を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000084783.htmll
成年後見制度は認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力の不十分な方々を法的に保護する制度です。しかし、現金を管理する場合、利用者と支援者の間での紛失や使途不明、使いすぎなどの問題が発生しています。KAERUが発行しているプリペイドカードは全国の加盟店で利用することができ、簡単にチャージできるほか、「紛失時の利用停止」や「利用記録」「利用額の設定」等の機能がついているため、金銭の使途や履歴を簡単に把握することができます。
- 経済産業省とソラミツ ベトナム、フィジー、フィリピン等CBDC検討開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000019078.html
ソラミツはオープンソースのブロックチェーン『Hyperledger Iroha』を利用して、カンボジアでCBDC(中央銀行デジタル通貨)「バコン」を運用しています。同社はCBDC*の導入国拡大に向け、経済産業省ならびにアジア大洋州の中央銀行や金融当局と協力して調査事業を行うことを発表しました。農村部など銀行口座を持たない国民もオンラインでCBDC口座を開設し、即時かつ安価な国際送金を可能にするなど、金融インフラの改善に取り組みます。
*CBDC: 各国の中央銀行が発行するデジタル通貨。大きな価格変動が起きず、オンライン上で納税や送金が可能なため、利便性が高い点が特徴。
②子育て・教育
少子化問題に力を入れている自治体が多く、妊活や婦人科問題をサポートするフェムテック分野のスタートアップとの連携が多数みられます。その他にもAIを活用したオンライン教育や紙おむつの定期購入など、子育てを支援するサービスもあります。
- Trim株式会社と三重県が子育てしやすい環境づくり等に関する連携協定を締結
https://www.pref.mie.lg.jp/D1KODOMO/000117896_00006.htm
Trimは『mamaro』と呼ばれるベビーケアルームを提供しています。一畳ほどの可動式ルームで授乳、おむつ替え、着替えなどができるスペースとして駅や空港、ショッピングモール等に設置できます。今回三重県との協定にあたって、子育て世代が外出しやすい環境づくりや、災害時の避難所でのmamaroの活用などについて研究を進めていくことを発表しました。
- 女性医療×AIのvivola、不妊治療データ検索アプリ「cocoromi(ココロミ)」を活用した広島県特設ページを開設
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000058605.html
vivolaは、「AI x 女性医療」をテーマにしたサービスを提供しており、その一環として不妊治療に関するデータ検索サービスアプリ『cocoromi(ココロミ)』を運営しています。同社はこのサービスを活用して、広島県と不妊治療に取り組む患者に向けた情報提供のためのコラボレーションページを開設しました。
- 東京都足立区公立保育施設で紙おむつのサブスク「手ぶら登園」の利用を2022年12月より開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000038762.html
BABY JOBは、2022年12月から東京都足立区にあるすべての公立保育施設で、「手ぶら登園」という紙おむつのサブスクリプションサービスの提供を開始しました。このサービスは使い放題の紙おむつが提供されるもので、保護者がおむつを持参する手間を省きます。また保育士によるおむつの個別管理の手間を省くことで、保護者と保育士の双方の課題を解決します。
③交通
MaaSと呼ばれる次世代交通手段サービスが社会に浸透する中、新しいモビリティの形が地域間でも活用されるようになりました。電動キックボードのシェアサービス、相乗り可能なシャトルバスの運行などは全国的に普及傾向にあります。またAIカメラによる通行量の測定、音声から睡眠不足を検知し交通事故を減らすサービスも提供されています。
- 【横須賀市様にご協力を頂き、発話音声データの収集を開始しました!!】発話音声から睡眠不足を検知し交通事故を減らすリスク管理DX
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000057103.html
リスク計測テクノロジーズはジェネクストと連携して、神奈川県主催のBAK NEW NORMAL PROJECT* 2022に採択され、「発話音声から睡眠不足を検知し交通事故を減らすリスク管理DX」の開発を進めることを発表しました。同社は発話音声データを解析して、声から眠くなる可能性を予測し、睡眠不足による交通事故の削減を目指しています。
*様々な課題を神奈川県の企業とベンチャー企業との共創で解決を目指すための神奈川県が全面支援しているプロジェクト
- 秋田空港と秋田市内の移動をシェアにより「はやく、お得で、スムーズ」に秋田空港利用促進協議会と移動課題解決に向けた実証実験 ※現在は実証実験は終了しています
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000031733.html
NearMeは、独自のAIを活用して最適な経路探索で空港と市内をシェアによってドアツードアで結ぶ空港送迎型のスマートシャトル®「nearMe.Airport(ニアミー エアポート)」というサービスを展開しています。このサービスを利用して、秋田空港の移動課題解決に向けた実証実験を行いました。
- ビットキー、枚方市とスマートシティ化への社会実証第2弾開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000040203.html
ビットキーは市内保育所・幼稚園の入り口やマンションのオートロックドアにおけるスマートフォンや顔認証によるロック解除の実証を開始しました。電子制御ドア向けのスマートロック「bitlock GATE」を導入することで、園児の送迎に伴う園職員による鍵の解錠・施錠の負担を軽減します。
④環境・まちづくり・防災
バイオマス燃料の導入やCO2排出量算定サービスなど、カーボンニュートラル実現に向けてCO2の削減促進を中心とした環境保全に注力する連携事例が多くあります。その他にも防災・防犯面では犯罪予測システムや天候予測システムなどのサービスが提供されています。
- ゼロボードが岩手銀行および矢巾町と地域脱炭素に向けた協定を締結
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000087068.html
ゼロボードは、温室効果ガス排出量算定・可視化クラウドサービス『zeroboard』を開発・提供しており、岩手銀行と岩手県矢巾町との三者で連携協定を締結しました。この協定により、町内の公共施設や企業に『zeroboard』を提供し、温室効果ガス排出量の算定と可視化を行い、具体的な排出量削減の取り組みを進めていくことを目指しています。
- GAUSS:さっぽろ連携中枢都市圏内の地域・行政課題をのDX推進する「Local Innovation Challenge HOKKAIDO2022」にGAUSSのAIカメラ「GAUDiEYE」が採択
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000027358.html
GAUSSの『GAUDiEYE』のAIカメラは、製造・建設・介護現場の安全確保や労災予防・発生時の記録に活用されています。恵庭市では除雪作業のスマート化・防災対策を目指してGAUDiEYEを導入し、積雪状況の観測や除雪指示などの実証実験を行う予定です。
- ホンジュラス国家警察で犯罪予測システムCRIME NABIの有効性検証を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000080699.html
Singular Perturbationsは、中米ホンジュラス国家警察と共に犯罪予測システム『CRIME NABI』の検証を開始しました。このシステムはリアルタイムな犯罪予測に基づき、効果的・効率的な警備・パトロール経路の自動策定、リスク可視化、警備状況のリアルタイム管理などのソリューションを提供しています。
⑤健康・福祉
高齢化や生活習慣病、新型コロナウイルス感染症など現代の健康問題にフォーカスをあてているスタートアップが多く、自治体との連携が最も活発な分野でもあります。食生活、睡眠、脳体力など様々な視点から市民の健康をサポートしています。
- 愛知県豊田市にてフレイル予防・生活習慣病予防を目的とし、医療機関の健診と連動した「スマホで健康応援プロジェクト」を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000009514.html
Moffは、公益財団法人豊田地域医療センター、ひまわりネットワーク、楽天モバイルとの協定に基づき、高齢者向けのオンライン健康増進サービス『モフライフ』を活用した介護予防事業「ずっと元気プロジェクト」の新規事業創出に着手し、スマートフォンと健康診断を連動させた「スマホで健康応援プロジェクト」を開始しました。
- 【横浜市共同リリース】認知機能低下の予防に向けた脳ドック用AIプログラム「Brain Life Imaging®」が横浜市立市民病院に導入
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000060865.html
Splinkが開発・提供する脳ドック用AIプログラム『Brain Life Imaging®』が、横浜市立市民病院に導入されています。市民病院の脳ドックサービスに、脳の萎縮状況や現在の認知機能を評価し、将来の認知症発症のリスクを判定する検査が公立病院として初めて採用されました。
- アドダイス、広島大学・北広島町が主導する 「こころの健康DX」実証実験に参画!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000056652.html
アドダイスと広島大学は、2022年11月よりストレス状態とレジリエンス特性を可視化する「メンタルマネージ・統合解析ツール」の開発に着手しました。解析プラットフォームとして特許技術「SoLoMoN(R) AI」を提供し、北広島町の参加者に配布したスマートウォッチで心拍数などバイタルを測定、複合的かつ時間逆行的なAI解析・学習によりメンタルリスクの定量化とスコア提示を可能にしました。このスコアは2023年4月に「メンタルリスクスコア」とし「こころの疲れスコア」と「落ち込みスコア」の2種類をリリースしています。
⑥文化・スポーツ・観光・イベント
この分野ではスタートアップの個性的なテクノロジーで地域の活性化を多角的に支援しています。人流分析を使った観光地のマーケティング、外国人観光客の言語サポート、地域独自の電子マネーの導入など多岐にわたります。
- 瀬戸内のアート旅を海上タクシーで 。Horai アプリは、アフターコロナの瀬戸内旅行に合わせてアップデートします。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000038582.html
Scheme Vergeの『Horai』は、アート&カルチャーに特化した観光ナビアプリで、個人に合わせたサポートを提供しています。観光スポットを選ぶだけで最適な旅程を提案し、現地のサービスの手配・決済も行えます。瀬戸内地域の芸術祭・アートイベントの開催に合わせ、継続的なアップデートを実施しています。
- 「京の米で京の酒を」推進会議、日本酒ソムリエAIをフランス・イギリスで開催の欧州輸出向けの日本酒調査に活用
https://scentmatic.co.jp/news/20230330
京都府ならびに「京の米で京の酒を」推進会議は、フランスとイギリスで「京の酒」試飲・テスト販売を実施し、SCENTMATICが開発した日本酒ソムリエAI「KAORIUM for Sake」*を活用しました。同社のAIを使って、欧州での日本酒の嗜好調査と好感度調査を行い、欧州市場向けのマーケティングや輸出用の「京の酒」づくりに活用しました。多言語で言語化・ビジュアライズした日本酒の風味を見ながらのテイスティングや現地食材とのペアリングの提案にも成功しました。
*膨大な香りの言葉と酒ソムリエの感性を学習した最先端のAIシステム。表現が難しい日本酒の香りや風味を言葉で可視化。
- おてつたび、新潟県・越後妻有「大地の芸術祭」と連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000036175.html
おてつたびは、地域の季節的な人手不足を解消し、地域関係者を創出するマッチングサイト『おてつたび』を運営しています。同社は「大地の芸術祭 越後妻有2022」と協力し、越後妻有地域における地域事業者の人手不足を解消し、イベントや里山のファンを増やすための取り組みを行いました。
⑦産業・ビジネス
地域の産業振興のために、スタートアップは多方面にわたって支援しています。託児スペース一体型のコワーキングスペース、データプラットフォームを用いたDX推進、地域のオンラインコミュニティの開設などがあります。
- ONE×横浜市「レシ活チャレンジ」2度目の採択が決定!市内ガソリンスタンドなどを対象とする「レシ活VALUE」を新たに設け、総額38億円を還元
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000019739.html
WEDのレシート買取アプリ『ONE』が、横浜市が主催する「レシートを活用した市内飲食店利用促進事業」に2回目の採択を受けました。横浜市内の飲食店が発行するレシートの写真をアップロードしてアンケートに回答することで参加が可能です。参加者には利用金額の20%がONEにて還元されます。前回のキャンペーンでは、2.3億円の原資に対して10億円以上の経済効果をもたらしました。
- イノフィス、農林水産省スマート農業実証プロジェクトの結果公表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000041785.html
イノフィスは、農林水産省が主催するスマート農業実証プロジェクトに参加し、中山間地における直売型イチゴ経営において、マッスルスーツを導入することで時間削減効果と労働費削減効果を実証しました。これにより、生産から販売まで一貫したスマート農業を展開し、高収益イチゴ経営を実証する取り組みを行っています。
- 日本貿易プラットフォーム TradeWaltzとタイ貿易プラットフォーム NDTPがシステム連携の合意書(TOR)に署名
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000069451.html
トレードワルツは日本の貿易プラットフォーム*『TradeWaltz』とタイの貿易プラットフォーム「NDTP」のシステム連携計画に署名したことを発表しました。この連携により、国家間で貿易プラットフォームの相互接続ができ、貿易完全電子化が実現します。サプライチェーンの可視化が進むことで、サプライチェーンが強化されるという効果が期待されます。
*ブロックチェーン技術を活用することにより、貿易に関わるプレーヤーの間で一気通貫の情報共有ができる貿易プラットフォーム
おわりに
スタートアップにとって、事業を成長させるうえで大きな足がかりとなるのが自治体との連携です。統計データや地域企業ネットワークといった自治体の持つリソースにより、スタートアップは自社のプロダクトやサービスを社会実装するうえで必要な実証実験の機会を得られます。また、人的資源の乏しいスタートアップにとっては、官公庁・自治体が調整役となりステークホルダーを含めたプロジェクトを推進させることで、「時間をかけたのに実現しなかった」という状況を避けることもできます。
本レポートで取り上げた事例は、日本各地で起きている連携のごく一部に過ぎません。官公庁・自治体の抱えるさまざまな課題に対し、ソリューションを持つスタートアップは必ず存在します。日本をより住みやすく暮らしやすい社会に変えていくにあたって、スタートアップのテクノロジーをいかに社会課題と組み合わせられるか、官公庁・自治体のアイデアと実行力が求められています。
Plug and Play Japanと自治体・公共団体の連携について
Plug and Play Japanでの官公庁や自治体との取り組みは、2021年度より本格的に始動し、国内スタートアップの海外展開支援、及び国内スタートアップと自治体や企業との協業における実装支援に取り組んで参りました。
2021年度・2022年度2年連続で独立行政法人日本貿易振興機構(以下「JETRO」)と内閣府による『スタートアップ・エコシステム形成推進事業』拠点都市8カ所を中心とした、日本全国のスタートアップを対象としたアクセラレーションプログラム「Global Preparationコース」を実施して参りました。本プログラムでは、海外展開を目指すスタートアップに向けて、グローバルで活躍する起業家や各業界を牽引する専門家からの講演やメンタリング、日英両言語でのピッチの機会を提供することで、海外展開に必要となるマインドセットの醸成やネットワークの獲得支援を行いました。
2022年度のJETRO茨城との取り組みでは「Born Globalを目指したスタートアップを支援する」という文脈で、茨城県の強みを活かした研究開発型スタートアップの海外展開支援にも取り組みました。海外スタートアップエコシステムとの繋がりを構築するという目的のもと、ベルリンとシリコンバレーにスタートアップをお連れして、ネットワーキングやピッチイベント、ワークショップ等現地のエコシステムを肌で感じ、今後の海外展開の足がかりとなるきっかけを提供しました。
国内スタートアップと企業や自治体との実装支援では、東京都のスマートシティの取り組みを推進していく「スマート東京」を実現していくために、自治体やエリアマネジント団体、スタートアップと連携し、スマートサービスの実装を支援しています。
Plug and Play Japanが有するグローバルのネットワークや支援してきたスタートアップと大手企業同士の共創支援における経験を活かし、今後も官公庁や自治体と連携しスタートアップの成長に寄与して参ります。
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