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Report | AIを活用したバイオマーカーの紹介

2021/07/21

昨今コロナの影響によりデジタルトランスフォーメーションというワードが注目を浴びていますが、健康管理 x デジタルの分野において今回ご紹介できればと思います。先日、弊社の海外拠点にて保険会社、製薬会社、スタートアップなどの専門家をパネリストに迎え、それぞれの視点におけるバイオマーカー用AIの動向、将来、応用などについて議論しましたのでご紹介します。

※当ウェビナーはこちらのリンクにてご覧いただけます(英語のみ)

(本記事はスペイン マドリードオフィスのVentures Analyst, Diego Arias García記事を翻訳したものです)

そもそもバイオマーカーとは、血圧、心拍数、血液や遺伝子検査など病気の変化や治療に対する反応に相関し、指標となるものです。AIを活用してバイオマーカーを測ることで、臨床上の意思決定支援、新薬開発、保険引受のリスク評価など、疾患の早期発見や治療費の削減に貢献します。


George Yamada

Ventures Analyst, Plug and Play Ventures

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スピーカー紹介

Debbie Lin
Boehringer Ingelheim Venture Fund (BIVF)のエグゼクティブ・ディレクターとして、デジタルヘルス分野の投資を担当。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)での科学研究後、13年以上にわたってBIのさまざまな分野で活躍し、国際的な活動や、企業戦略および開発における同社のグローバルな取り組みをリード。

Sven Ebert
大学で数学を専攻、経済学を副専攻した後、確率論の博士号を取得。現在は、世界最大級の再保険会社でSCOR社の商品開発責任者として、再保険分野のテクノロジーの動向を注視するとともに、活動基準商品の開発を担当しています。

Dr. Zeev Neuwirth
Atrium Health社のCare Transformation and Strategic Services部門のChief Clinical Executiveを担当。Neuwirth博士は、臨床業務の品質及びプロセス改善、集団医療、ケアデザインとイノベーションの分野で15年以上の経験を有し、「Reframing Healthcare: A Roadmap For Creating Disruptive Change」の執筆や人気のポッドキャストシリーズ「Creating a New Healthcare」の制作・司会も手がける。

バイオマーカーが重要な理由

Sven Ebert氏は、SCORでは長期的に人々の健康を維持するための解決策としてバイオマーカーに注目していることを説明しました。バイオマーカーは、安静時の心拍数の低下や、日々の消費カロリーの増加、あるいはごく単純に歩数の増加など、特定した進歩や改善を測定することができます。

VC観点では、Debbie Lin氏が勤めるBIVFでは自社の製薬会社にとって戦略的にフィットする企業に注目しているとのことでした。バイオマーカーにアクセスできることで製薬会社は新薬の研究・開発に加え、臨床試験中に患者への副作用を把握することができます。製薬会社は、バイオマーカーを利用して、患者の健康状況を理解し、投薬中の患者をモニターするための新しい方法を見つけたいと考えています。Neuwirth博士は、バイオマーカーの重要性は、万が一の事態を予測・発見できることにあると説明しています。バイオマーカーを活用することで、救急外来を受診するような急性症状のリスクを検知できることが、今後の治療において標準化されるべきと述べています。

AIを活用したバイオマーカーの育成と気をつけるべき点

AIを学習させる際に注意すべき点について、以下のような点が挙げられました。
・法律や規制を尊重した上で、豊かなモデルを構築するにあたり、一定の情報に偏ることなく複数の機関やデータセットからデータを収集することが重要

・多様なデータの必要性。例えば、50歳の白人男性など、マジョリティデータにこだわらず、さまざまな層のデータを蓄積することが大切

・複数の組織から送られてくる大規模なデータセットからデータを抽出する場合、プライバシーやコンプライアンスの対策が必要

・学習アルゴリズムのバイアス。カバンに入れたiPhoneとポケットに入れたiPhoneでは異なる歩数が記録されるため、AI開発に必要なデータベースを構築するためには、このようなバイアスや違いに注意することが不可欠


AIを活用したバイオマーカーに関連するスタートアップ

Lin氏は、新型コロナの影響により、遠隔モニタリングツール、ウェアラブル、遠隔医療の受け入れが加速していると説明しました。これにより、豊富なデータが生成され、バイオマーカー開発のスピードが向上しています。例えば、認知症やアルツハイマー病の早期発見のためにカメラを利用できると述べています。カメラで網膜をスキャンすることで、目の中のバイオマーカーを検出し、認知症やアルツハイマー病になるかどうかを予測することができます。

最後に、AIや機械学習(ML)を活用し、ヘルスケアのバリューチェーンにおける多く問題に取り組んでいるスタートアップを紹介します。

・Predictive

ヘルスケアに特化したDNAベースのデジタルツインを開発しています。。Predictiveのソリューションは、患者の全DNAを分析し、16,000の遺伝病と比較します。これにより、患者が最もリスクの高い遺伝病を予測し、病気の予防や影響を軽減するための予防措置を取ることができます。

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・Hyfe

Hyfeは咳を検知・分析するAIを提供しています。「Hyfe AI」は、スマートフォン上で動作し、咳を追跡するCough Detection Algorithm(咳検出アルゴリズム)です。何百万種類もの音で訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、周囲の音から咳を検出し、空間と時間を超えて追跡することができます。最終的な目標は、異なる種類の咳を区別し、強力な診断ツールとなるように改良することです。

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・Mechanomind

MechanomindはAIによる画像認識でがん診断を実現します。同社は、AIによる腫瘍タイプの検出と分類、および相談やセカンドオピニオンのためのグローバルマーケットプレイスの構築により、がん診断を迅速、正確、かつどこでも利用できるようにしています。世界中の病理医の不足を解消し、診断精度と患者の安全性を向上させ、最高の診断ノウハウを未整備の市場に拡大し、医療費の削減に貢献します。

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・Virtonomy.io

Virtonomyは仮想患者によるデータドリブンな臨床試験を実現します。同社は、医療機器開発者向けに、仮想患者を臨床試験に活用する初のウェブプラットフォームを構築しています。これにより、生命維持に必要な医療機器の製品化にかかる時間(Time-to-Market)を短縮し、医療イノベーションを加速させ、最大50%の大幅なコスト削減に貢献します。

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最後に

Plug and Play JapanでもWinter/Spring 2021Batchにてバイオマーカー関連のスタートアップを採択しています。Plug and Play Japan Insurtech Teamでは、採択スタートアップの内、健康増進系アプリを提供する扱う4社のサービスを「社内PoC(Proof of Concept)」として2020年6月〜2021年3月の期間中利用しました。

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