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自動車事故のない世界の実現のために- CarVi

2022/04/21

Plug and Play Japanでは、採択・Alumni(卒業生)スタートアップへのインタビューを実施しています。今回のインタビューでは、自動車用映像認識デバイスとデータソフトウェアを提供するCarVi Inc(以下、CarVi)の日本法人でBD Managerを務める笠谷氏に、日本市場での課題やMobility Batch1プログラム*で生まれた成果などについてお話しいただきました。
(本記事は2018年10月にPlug and Play Japan公式mediumで公開した記事です)

※Batch:Plug and Play Japanにおいて、一定期間実施するアクセラレータープログラムを表す1つの単位。


Saori Nicole

Program Management Lead


Carviについて

CarViは米サンフランシスコに本社を構えるスタートアップです。シリコンバレー、シカゴ、韓国に拠点を持ち、約1年前から本格的に日本市場への展開に向けて準備を進めています。事故のない安全運転を促進するため、ドライバー向けに、車のフロントガラスに設置して運転中周囲の映像をAIで認識し、危険時にアラートを発生するデバイス(Advanced Driver Assistance Systems (ADAS))を提供しています。 また、ADASで収集したビッグデータを保管するソフトウェアを提供しており、ドライバーや自動車用保険会社、運送会社、自動車会社などがアクセスすることで、運転の癖や車の動き、どういった場面で事故が起こりやすいか、などについて確認することができます。自動運転などさまざまな技術が発達する今日でも、世界中で何十万件もの自動車事故が起きています。CarViは”The open road is in Safe Hands”をスローガンに掲げ、ドライバーが自ら安全運転を心がけるシステム作りにも注力しています。 例えば、SKORと呼ばれる、ドライバーがどれほどの安全性スコアを持って運転しているかがパッとわかる評価基準を開発しています。今後は自動車保険に紐づかせることで、SKORが高いほど保険料が安くなるようなインセンティブを付与させることでドライバーがさらに安全運転を意識するようなシステムを考えています。


目次

2日間で1,200名以上が参加した、Batch 1 EXPOにてピッチする笠谷氏

ーーCarViは本社がシリコンバレーにあるとのことですが、日本にはメンバーが何名いらっしゃるのでしょうか?

現時点では僕一人です。お客様やパートナーとの日常的なやり取りは僕が行なっていますが、契約に関わる重要なディスカッションを行う場合は本社のメンバーが来日して面談に同席します。遠隔では毎日コミュニケーションを取っていますが、現地のネットワーク強化や認識合わせのため、月一で来日しているメンバーもいます。僕自身は元々三井物産にいまして、ITスタートアップやプロスポーツ選手を経験した後、共通の知人を通じてCarViのChief Creative OfficerであるDineshと知り合い、CarViに携わることになりました。

ーー面白い経歴でいらっしゃいますね。米国と比べて、日本市場の特徴はどんなところですか?

やはり言語のローカライズは必須ですね。他の国の市場に比べ、ソフトウェアのインターフェースやマニュアルが英語のままだと導入が難しいので、ローカライズに取り組んでいます。言語へのこだわりは日本ならではだと感じます。また、道路が日本は特徴的で、米国に比べ入り組んだ道が多いです。地方に行くと、車線が整備されていないことも多々あります。CarViとしてはなるべく多くの車両にADASを付けて、日本の道路を学習させたいですね。データも量が増えるほど価値が高まり、交通の安全性も高まります。どの道路がどう渋滞してるか?など、付加価値の強いデータを集めたいと思っています。

ーー大企業との連携で難しいところはありますか?

打ち合わせは通常英語で行うのですが、やはり細かいニュアンスを英語では伝えきれなかったり、理解しきれなかったりします。そいういう場合は、僕が日本語でお客様やパートナーに補足をしたり、フォローアップして懸念点などを確認するようにしています。ただ、「日本のお客様」で一括りにできないと思っていて、例えばPlug and Play Japanに参画している大企業パートナーはやはり海外スタートアップとのディスカッションに慣れているのか、とても話が早いと感じました。

その他、日本の大企業との連携における課題としては、導入までの準備やハードルが大きいと感じます。現在多くの自動車会社からPoCの候補先として見てもらっていますが、やはり細かい策定条件を提示されることが多いです。日本企業に自分たちの製品やサービスを理解してもらい、信頼してもらうためには、互いの条件を細かく、丁寧にクリアしていかなければならないと感じています。

ーーPlug and Playのことは、どこで知られたのでしょうか?

本社が、実はPlug and Play Japan代表のフィリップさんと面識があって。プログラムに参加したことはこれまでなかったのですが、シリコンバレーでも交流があり、色々な情報を共有していただいていました。日本でのプログラムに応募したのもそういった繋がりからです。

ーーBatch 1 を通してどんな成果がありましたか?

PoCに関しては、Plug and Play Japanのパートナーやそれ以外の日本企業5社以上との間で実施まで完了または実施に向けて協議しています。各社の車両にCarViのADASテクノロジーを付けて、実際にテストすることができています。僕らにとって、Plug and Play Japanは他の企業とのマッチメイキングとしてとても重要なプラットフォームだと感じています。

CarVi Incについてもっと知りたいという方は、ぜひWEBサイトをご確認ください。

https://www.getcarvi.com/

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