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スタートアップとの共創によるオープンイノベーション初期に留意すべき6つのポイント

2022/05/13

人事異動の季節、オープンイノベーションを担う部署に異動になられた方もいるかと思います。今回の記事では、新たに着任したものの何から取り組み始めるべきか分からない、もしくはイノベーションの取り組みに携わっているものの日も浅く幅広く情報収集をしたい方向けに、今後スタートアップとのオープンイノベーションを進めていくうえで初期段階で気を付けるべき6つのポイントを解説していきます。


Megumi Shoei

Communications Manager, Marketing & Communication Team


1. オープンイノベーションに取り組むことを目的化しない

スタートアップとの共創や先進テクノロジーの導入などは、あくまでイノベーションを起こすうえでの手段であり、目的ではありません。そもそもなぜオープンイノベーションに取り組む必要があるのか。長期的に取り組む必要があるオープンイノベーションにおいて、目指すべき目標を明確にすることが重要です。会社が定める中長期的な事業戦略、もしくは会社で抱えている課題から目標を落とし込み方向性が定まることで、どのような技術を探索する必要があるのか、共創パートナーとしてどのようなスタートアップもしくは他企業と組むべきかが見えてくると共に、社内も巻き込みやすくなり、本質的な評価にも繋がっていきます。

2. 社内協力体制を構築する

新しい取り組み、新事業創出、新たなテクノロジーの導入など、前例のない取り組みには障壁はつきものです。また企業の競争力の根幹である既存事業に適する形で社内制度や業務プロセスが成り立っているため、社内理解を得ながらオープンイノベーション活動を推進していくには時間を要します。また取り組みが長期化する中で、担当者自身も孤独を感じやすくなります。そのような状況を打破していくためには、他事業部や社内のキーパーソンとなるメンバーなどとの繋がりを増やし、社内で賛同・協力してくれるコミュニティを広げていくことが重要になります。
そのためには、まず各事業のペインやニーズを聞いてまわり、彼らが必要としている情報を提供する、提供する際にも相手がイメージしやすいように具体的なユースケースもセットで説明するなどの工夫をすることで、徐々に信頼を得られ社内ネットワークが広がっていきます。
また、スタートアップの情報を与えるだけでは彼らが持っている本当の価値が伝わりづらいため、スタートアップが成し遂げようとしているミッションや、彼らが有する先進テクノロジーの何が凄いのかなど、”温度感”も一緒に情報として提供できると社内理解をより一層得られやすくなります。
自分たちが何をしようとしているのか、どのような情報を持っていて、それが既存事業含め会社にとって何のメリットになるかを積極的に発信することは、新たな挑戦に共に取り組む仲間づくりの一歩となります。

参考記事:オープンイノベーションを推進する社内の巻き込み方

3. どんなアイデアも否定しないこと

正解のない道を歩むオープンイノベーション活動だからこそ、柔軟にそして多角的に物事を捉え、アイデア探索をしていく必要があります。
各事業の課題からアイデアを広げていくこともあれば、外部で出席したイベントでの出会いから偶発的に生まれるアイデアもあります。
いずれにせよゼロからアイデアの種を見つける、もしくは作りだすうえで最初は実現不可能そうなアイデアに見えても、いつそのアイデアが花開くかは分かりません。あらゆるアイデア、可能性を否定することなく創造性を解放することが重要です。

参考記事:無駄になる企画案はない。企画立案〜PoCをスムーズに進めるために気をつけるべき10のこと

4. 共創するスタートアップを下請け先として誤認識しない

将来的な共創パートナーとなるスタートアップ探索をする際に陥りがちなのは、「スタートアップが自社に何を提供してくれるのか」という視点で見てしまうことです。スタートアップにとって大手企業との協業は確かに実績となる一方で、優れたテクノロジーを持ち急成長しているスタートアップにとって、必ずしも大手企業と組むことがプラスに働かない場合もあります。
そもそもオープンイノベーションとは社内資源だけで完結するのではなく、変化の激しい社会変化・顧客ニーズに適応していくために、外部リソースを積極的に取り入れイノベーションを起こすことです。自社で持っていない先進技術を外部に探索する点から、スタートアップと大手企業は対等な共創パートナーと言えます。
そのためオープンイノベーションに取り組む際に最初に定めた目標に向かって、スタートアップと大手企業が共にどのように実現できるのか、歩み寄りながらコミュニケーションを取っていくことが重要です。

5. 失敗を恐れず、PDCAを高速回転させる

オープンイノベーションに対する社内理解が低く、社内文化も醸成されていない場合、多額の予算をかけ複数部署を巻き込むような大規模なプロジェクトをいきなり動かすことは難しく、企画を立ち上げるだけでも時間がかかる場合が多いでしょう。
前例のない挑戦を重ねていくオープンイノベーション活動においては、失敗の数が成功へと繋がる要因にもなります。いきなり数億円規模の事業を創ることを目指すよりも、アプリやサービスを限定的に導入するなど小規模でスタートさせ、PDCAを高速で回すことがキーポイントとなってきます。ユーザーや市場の反応を見ながら、アジャイル的に検証と改善を素早くかつ柔軟に繰り返すことで、小さな成果を積み重ねることができ、それがゆくゆくは社内理解の浸透につながり、オープンイノベーションに前向きに取り組む雰囲気を醸成していきます。

参考記事:【前篇】オープンイノベーションを促進する2つの要素

6. 周りの評価を気にせず、外部ネットワークを広げていく

新しい挑戦には困難がつきものとは言いますが、長期化するオープンイノベーション活動の過程では、既存事業との軋轢が生じたり、社内から否定的なコメントを受けたり、頑張っているものの評価されづらいなど、挑戦しつづける気持ちが揺らぐような経験をされるかもしれません。
厳しい状況でこそ、前述した明確化した目的や社内協力体制が活きてきますが、教科書的に順調に環境を整えられないこともあります。
そのような場合、他社で同じ経験をされている方と情報交換をしたり、オープンイノベーションをテーマとした外部イベントへの参加、スタートアップとの交流会やイノベーション支援機関への相談など、外部ネットワークを広げることが大切です。それにより自社を客観視でき、新たなインスピレーションを得られ打開策が見えてくるだけではなく、困難を共有できる仲間づくりができ、挑戦の火種を消すことなく前に進み続けることができます。

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