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アクセラレーターについて解説!種類や参加のメリット・デメリットとは?

2022/11/09

大手企業によるオープンイノベーションの注目が高まるにつれ、さまざまなアクセラレータープログラムが創設され、近年では事業会社主導のアクセラレータープログラムも多数見られるようになってきました。現在では幅広い形態を見せているアクセラレーターのタイプやプログラム種類、利用するうえでのメリット・デメリットについて解説していきます。


Megumi Shoei

Communications Manager


1. アクセラレーターとは何か?

アクセラレーターとはスタートアップの事業成長を支援する企業や団体を指しています。英語の「Accelerator(加速するもの)」から派生した言葉ですが、アクセラレーターは一般的にシード期以降のスタートアップを対象に、大手企業とのマッチング、メンターや投資家へのアクセス、マーケティング支援など、スタートアップの事業成長に必要なプログラムを数週間〜数ヶ月といった一定期間にわたり提供します。

インキュベーターと混同されがちですが、
が、インキュベーターは「Incubator(卵を孵化させるもの」という言葉が示すように、事業アイデアフェーズでシード期以前のスタートアップを対象に、起業〜事業実装、事業拡大にいたるまで長期にわたって支援します。

アクセラレータープログラムの一般的な流れ
アクセラレータープログラムでは、まず初めにスタートアップから事業内容や事業プランの公募を行った後、事業の収益性や社会的インパクト、サービスの新奇性や大手企業とのニーズマッチングなど、さまざまな基準で審査を実施します。
採択スタートアップが決定したら実際にプログラムがスタート。3ヶ月〜6ヶ月程度の期間が設定されているケースが多いです。期間中、スタートアップはアクセラレーターを通じてVCや各領域の専門家へ紹介してもらえるようになります。投資家や専門家から自社のビジネスプランやサービスへのフィードバックをもらったり、法務やPR、マーケティングなどの教育プログラムを受講したり、実証実験を行ったりするなど、事業成長に必要な支援を幅広く得ることができます。プログラムの最後には「Demo Day」として、期間中に得られた成果を採択スタートアップや関係者が発表します。

2. アクセラレーターのプレイヤーとプログラムの種類

プレイヤータイプ

    ・コーポレート自立型アクセラレータープログラム

 

    • 事業会社が自社でプログラムを運営するタイプ。三菱UFJフィナンシャル・グループの「

MUFG DIGITAL ACCELERATOR

    • 」や東急グループによる「

Tokyu Alliance Platform

    • 」、NTT東日本アクセラレータープログラム「

LIGHTnIC

    • 」やIBMによる「

BlueHub

    」など、近年では数々の大手企業によるアクセラレータープログラムが実施されています。主に大手企業が保有するアセットを活用した新規事業の創出や、関心領域の近い部署との事業シナジー創出による共創を目的としています。

 

    ・VC系アクセラレータープログラム

 

    • VCが運営するプログラム。Beyond Next Venturesが提供するディープテック特化型アクセラレーションプログラム「

BRAVE

    • 」や、Z Venture CapitalとEast Venturesが共同運営する4ヶ月間のアクセラレータープログラム「

Code Republic

    」などがあげられます。採択したスタートアップへの出資やメンタリングといったインキュベーションの側面も持ち合わせています。

 

    ・行政・自治体系アクセラレータープログラム

 

    • 行政機関や自治体が主導で行っているアクセラレータープログラムで、JETROによる「

スタートアップシティ・アクセラレーションプログラム

    • 」や「

グローバル・アクセラレーション・ハブ

    • 」、東京都女性ベンチャー成長促進事業が運営する「

APT Women

    • 」、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「

J-Startup

    • 」、

内閣府アクセラレーションプログラム

    などがあげられ、地方自治体や企業と連携し、幅広くかつ多数のスタートアップを一度に支援するプログラムが多く見られます。行政機関のアセットを活用したスタートアップの海外展開支援や、住民参加型の実証実験、スタートアップが保有するサービスを通して社会課題解決や地域貢献に役立てることを主目的とします。

 

    ・大学発アクセラレータープログラム

 

    • 大学主体のアクセラレータープログラムとして、東京大学の「

FOUNDX

    • 」や順天堂大学オープンイノベーションプログラム「

GAUDI :Global Alliance Under the Dynamic Innovation

    」などがあります。大学初アクセラレータープログラムでは、主に在学生や卒業生、研究者向けに無償でリソースを提供するプログラム内容を提供している大学が多い傾向があります。

プログラムの種類

    ・自社運営型

 

    • 自社でスタートアップ公募から選定、プログラム実装にいたるまで一気通貫して行うスタイルです。

 

    自社内で実施するため独自フローを築くことで意思決定スピードが早まるとともに、自社のニーズにマッチした組み手企業との出会いも期待できます。一方で運営企業の規模やノウハウによってアクセラレーターの成果が左右される側面もあります。

 

    ・共創型

 

    事業会社とアクセラレーターが協業し、プログラムを運営するスタイルです。アクセラレーターの運営における専門知識や独自のスタートアップネットワークを取り入れることができ、効率的に自社に必要なネットワークを構築することができます。

 

    ・ N対N型

 

    アクセラレーターの専門企業が主体となって運営するプログラムで、大手企業×スタートアップだけではなく、大手企業×大手企業、スタートアップ×スタートアップなど、複数社と業界を越えた出会いが可能になります。

3. アクセラレーターを活用するメリット

大手企業側

    1. 幅広いスタートアップとの出会い

 

    多様なスタートアップとのコネクションをすでに確立しているアクセラレーターを利用することで、自社では想定しづらい組み手の発見など、幅広いスタートアップとの協業を模索することができます。

 

    2. 新事業の種となりうるアイデア探索

 

    幅広いスタートアップとの出会いから新たな事業の種となりうるアイデア探索ができ、既存事業にはない新たな発送や新規ビジネスを創出する機会が得られます。

 

    3. 最新の市場トレンドや先進テクノロジーの情報取得

 

    最新の市場トレンド情報に触れられるとともに、先進テクノロジーの情報を得やすくなります。

 

    4. 大手企業同士のネットワークの構築

 

    スタートアップだけではない、大手企業同士のネットワーク構築が可能です。

 

    5. 社内説明や巻き込み力の向上、担当者のモチベーション維持

 

    長期プロジェクトとなりがちなオープンイノベーション活動において、伴走者となりうる外部支援機関を使うことで、社内説明や関係者の巻き込み力の向上に活かすことができます。また社内理解を得られるまでに時間がかかるオープンイノベーションにとって、担当者本人のモチベーション維持にも有効です。

スタートアップ側

    1. 大手企業との協業を介した社会的信用度の向上

 

    大手企業と協業することで実績を得られ、会社への社会的信用度やプロダクト・サービスへの消費者の安心感を得やすくなります。

 

    2. 大手企業の豊富なアセットへのアクセス

 

    アクセラレータープログラムを介して大手企業とマッチングすることで、大手企業が有する豊富なアセット(事業化のノウハウやマーケティング力、豊富なネットワークなど)にアクセスできる。

 

    3. 専門家のフィードバックによるプロダクト・サービス改善

 

    プログラムを通して、専門家からプロダクトやサービスへの専門的なフィードバックを得られ、プロダクトやサービス改善に繋げられる。

 

    4. 大手企業との協業や実証実験によるマーケットフィットの確認

 

    大手企業との協業を通じ、プロダクトやサービスのブラッシュアップや、実証実験などを通しマーケットフィットを確かめることができる。

4. アクセラレーターを使うデメリット

大手企業側

    1. 短期での成果を得づらい

 

    アクセラレータープログラムの特性上、最長でも数ヶ月のプログラムとなるため、プログラム期間内で目に見える成果を得づらい側面があります。しかし逆を返せば、期間が決まっているので時間的な強制力をもたせることができ、目標までのマイルストーンを引きやすくなります。オープンイノベーションという文脈の中で、長期的な目的を持ったうえでの継続的な取り組みが重要になります。

 

    2. 一定のコミットメントが求められる

 

    プログラム期間中は多くのスタートアップとの出会いや、彼らが有する先進テクノロジーについて理解を進めることに加え、社内事業部への課題ヒアリングなど取り組む領域は多岐にわたります。他のプロジェクトと並行してアクセラレーターを活用する場合、時間的コスト、人的コストについて考慮する必要があります。

スタートアップ側

    1. リソース不足

 

    • 大手企業とスタートアップではカルチャーやスピードが異なります。大手企業では社内調整に数ヶ月単位で時間を要する場合があり、時間・人・資金が潤沢にないスタートアップにとって、”待ち”の時間はさまざまなリソースを取られるだけではなく、機会損失にもなりえます。

 

    プロジェクトを進めるタイムラインや期待値コントロールは大手企業、スタートアップ両者で丁寧に行うことが鍵となります。

 

    2. 自社のアイデアの漏洩

 

    自社プロダクト・サービスのアイデアや知財を守るためにも、協業する際には規約や契約内容に留意するほうが良いでしょう。

5. Plug and Play Japanのアクセラレータープログラムについて

当社では約3ヶ月間のN対N型のアクセラレータープログラムを8つの業界テーマ*で年2回にわたり展開しています。
Plug and Play Japanの企業パートナーと国内外のスタートアップを結び、新たなイノベーションを創出することを目的としています。本プログラムを通し、企業パートナーは自社のイノベーションを加速させるような国内外スタートアップとのマッチングが可能になり、スタートアップは幅広く大手企業との連携機会を得られます。プログラムの締めくくりには成果を発表する「Summit」を開催し、国内だけでは得られないようなイノベーションに関する最新情報を取得できるほか、業界の垣根を超えた交流が生まれる場となっています。
アクセラレータープログラムについてカジュアルに話を聞きたい、もしくは興味がある、共創型で開催したいなどのご相談やご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。
*8つの業界テーマ:Fintech、Insurtech、Mobility、Brand & Retail、Health、Smart Cities、New Materials、Energy

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