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Next Level DeepTech: ラトビア ~アグリ/フードテック、先進マテリアル~

2023/06/02

2023年4月21日にディープテックスタートアップのクロスボーダー・コラボレーションを促進するイベント「Next Level Deeptech」の第二弾を実施いたしました。


イベント趣旨

「Next Level Deeptech」は、世界各国の最先端の技術を持つDeepTechスタートアップを紹介するオンラインイベントです。このイベントシリーズは、ディープテックスタートアップに、さらなるスケールアップや社会・環境問題の解決に向けて、グローバル大手企業とのコラボレーション機会を提供することを目的としています。

今回のイベントは、ラトビア投資開発庁とラトビアのディープテックアクセラレーターであるCommercialization Reactorrが主催する「DeepTech Atelier」の一部として開催されました。

「DeepTech Atelier」は、バルト最大のディープテックイベントであり、量子、光ファイバー、センサーなど多岐にわたるテーマについての2日間のカンファレンスとなっています。

オンラインとオフラインのハイブリッド形式で、日本とラトビアから8社の優れたアグリ/フードテック、アドバンスドマテリアルのスタートアップに参加いただきました。基調講演では、ベルリンを拠点としてヨーロッパにおける新素材分野のイノベーションを推進するINAM(Innovation Network for Advanced Materials)と旭化成株式会社より、ヨーロッパと日本におけるイノベーションに向けた取り組みについてお話しいただきました。

アジェンダ

  1. オープニング
  2. キーノートスピーチ #1 : 「大手企業の成長手段としてのスタートアップ INAMのエコシステムにおけるベストプラクティス」
  3. スタートアップピッチセッション:ラトビア
  4. キーノートスピーチ #2 : 「旭化成におけるイノベーション活動とスタートアップへの期待」
  5. スタートアップピッチセッション:日本
  6. クロージング

キーノートスピーチ #1 「大手企業の成長手段としてのスタートアップ INAMのエコシステムにおけるベストプラクティス」

Ferdinand Bartels氏, Head of the Executive Board of INAM

Bartels氏:

まず、スタートアップが失敗する典型的な理由を説明しましょう。スライドには、企業が失敗する最も多い理由をリストアップしてみました。ここで注目したいのは、下にある3項目です。チームワークはうまくいっているのか?資金はなぜ不足したのか?期待と現実は一致しているか?資金需要に対応する優れたビジネスプランがあるのか?なぜなら、革新的なアイデアを実現するためには、最終的に資金が必要な場合が多いからです。

(画像提供:INAM)

スタートアップが成功するためには何が必要なのでしょうか?しっかりとしていてかつ実績のある技術や知財の基盤が必要です。また、充実したチーム、起業家精神、そして学ぶ意欲も必要です。スタートアップは、現場にはもっと経験のある人がいることを受け入れなければならないし、アドバイスを受け入れなければなりません。成功する実力を持つにも関わらずアドバイスを受け入れず、またチーム内の問題を軽視したため、成功するのが遅くなった、あるいはチャンスを逃したスタートアップも少なくありません。その他にも、マーケットと製品に投資する投資家が必要です。

(画像提供:INAM)

私からは以上です。より詳しい情報をご希望の方は、INAMのウェブサイトからいつでもお気軽にご連絡ください。ありがとうございました。

キーノートスピーチ #2 「旭化成におけるイノベーション活動とスタートアップへの期待」

森住 昌弘 旭化成株式会社 モビリティ&インダストリアル事業本部 戦略推進部 事業開発室リーダー 課長

森住氏:

旭化成のCVCは2008年に開設し、2022年から2024年までの3年間で9500万USドルの予算をとっています。CVCのミッションは、「素材」「ヘルスケア」「ホーム」の注力領域において、スタートアップと新しいビジネスを創造することです。

(画像提供:旭化成)

この4月から水素、エネルギー貯蔵、カーボンマネジメント、バイオベースケミカルなど、カーボンニュートラルに特化した新しいファンドをスタートしました。今後5年間で1億USドルの予算を持っています。

(画像提供:旭化成)

次に、「AKXY」というコンセプトカープロジェクトを紹介します。このプロジェクトでは、自動車事業を拡大するためのスタートアップとの協業に取り組んでいます。

(画像提供:旭化成)

これは昨年発表したコンセプトカーです。2つのスタートアップの技術を含む17の製品・技術を搭載しています。フレキシブルな発熱テキスタイルを開発するLoomia、2017年に買収した車のシート生地を生産する当社のグループ会社であるSage、当社のCVCポートフォリオの1つであるタッチセンサーを開発するultrasenseの技術を活用して開発しました。このコンセプトカーは、CESなどの世界的な展示会に持ち込んで、プロモーションやマーケティングを行う予定です。

当社は、ベンチャー投資、研究開発、量産、販売マーケティング、幅広い技術の専門家など、スタートアップと協業できるタッチポイントを多く持っています。弊社にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

スタートアップのピッチセッション

今回のイベントでは、ラトビアおよび日本から8社のスタートアップにピッチしていただきました。

Adianano 

ナノ材料製造の分野で事業を展開し、高品質なナノシリコンと低層グラフェンを開発する新しいアプローチを発明するスタートアップ。この技術は、ナノシリコンとグラフェンの複合材料の助けを借りて、負極の容量を650~1000mAhに増加させることにより、リチウムイオン電池のエネルギー密度を大幅に向上させることができます。

所在地:ラトビア

(画像提供:Adianano)

3D Strong LLC. 

カーボンナノチューブ(CNT)を用いた3Dプリント材料を提供するスタートアップ。3Dプリント材料の機械的強度と耐久性を大幅に向上させ、導電性を追加し、静的特性を除去し、最終製品に独自の特性を与える、CNTに基づく添加材を製造しています。25年の経験から生まれた特許取得済みの技術で、99.5%という極めて高い純度と安定した特性を持つあらゆる種類のCNTを製造しています。

所在地:ラトビア

(画像提供:3D Strong)

Conelum Biotech

食品・飲料メーカー向けの迅速な微生物診断テストを開発するスタートアップ。独自のEloKIT技術に基づく分子生物学的手法により、微生物診断から培養工程を省くことができます。食品企業にとっては、微生物診断にかかる時間を短縮することで、生産リスクを最小限に抑え、経済的な損失を回避する機会を提供することができます。

所在地:ラトビア

(画像提供:Conelum Biotech)

Elogium 

養鶏事業のためのプロバイオティクス・ソリューションを提供するスタートアップ。ブロイラー生産者向けのプロバイオティクス・プラットフォームの開発者として、抗生物質を使用せずにブロイラーの体重を大幅に増加させ、病原菌を除去するプロバイオティクス飼料添加物を提供することで、お客さまの収益増加を可能にします。

所在地:ラトビア

(画像提供:Elogium)

株式会社3DC

電池の進化を加速させる新炭素素材「グラフェン・メソスポンジ(GMS)」を提供する東北大学発スタートアップ。GMSは、グラフェンと同様のほぼ炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備え、耐久性の課題を世界で初めて解決します。また、一般的なグラフェンよりも柔軟であるため、電池電極の構造変化に追従するだけでなく、様々な応用が期待できます。

所在地:宮城県仙台市

(画像提供:3DC)

マイクロ波化学株式会社 

マイクロ波を使った熱分解や解重合など、プラスチックケミカルリサイクル技術を開発するスタートアップ。独自のプラットフォームをもとに、幅広い業界の課題にあったテーラーメードのマイクロ波反応と設備を、共同開発とエンジニアリングにより最適なソリューションとして構築・提供します。

所在地:大阪府吹田市

(画像提供:マイクロ波化学)

メビオール株式会社

作物の生長に必要な水と養分だけを通すナノサイズの穴が開いたフィルムのうえで作物を栽培するスタートアップ。研究開発を主体としたファブレス企業として、医療用に開発してきた膜およびハイドロゲル技術を農業に展開し、安全かつ高栄養価の農産物を生産する持続的農業技術『アイメック®』を保有し、120ヶ国以上で特許を取得しています。

 所在地:神奈川県平塚市

(画像提供:メビオール)

プラチナバイオ株式会社

ゲノム編集とデジタル技術でバイオエコノミー社会を実現するスタートアップ。「これまでゲノム情報が明らかにされていない非モデル生物を含むあらゆる生物のゲノム情報取得」、「社会ニーズの解決に寄与する生物機能に関わる遺伝子特定」、「ゲノム編集による機能向上」の3点を一気通貫で行い、産業で求められる生物機能をデザインできるプラットフォーマーを目指すべく、各産業の事業パートナーと提携しながら取り組みを進めています。

所在地:広島県東広島市

(画像提供:プラチナバイオ)

今後の取り組み

Plug and Play Japanでは、ディープテックのグローバルなコラボレーションを促進すべく、イベントを定期的に開催しています。今後は台湾や香港などにもイベントを展開する予定です。ぜひご注目ください!

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