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医療従事者・医療関係者の起業を促進 - 東京医科歯科大学起業セミナー&ワークショップ

2023/06/07

医療・ヘルスケア領域のイノベーションにおいては、現場のニーズを理解しており、専門知識のある医療従事者・医療関係者の起業に注目が集まっています。Plug and Play Japanでは東京医科歯科大学オープンイノベーションセンター(以下TMDU)と連携し、医療分野での起業について理解を深めるセミナーと、起業に向けたスタートアップのマインドセットを体験できるアイデエーションワークショップを2023年2月16日と23日の2日間にわたって開催しました。参加者は、東京医科歯科大学に所属する医師や学生、TMDU Innovation Park (以下TiP)の企業会員を対象におこなわれ
Day 1は78名(うち48名オンライン)、Day 2は祝日の早朝にもかかわらず20名にご参加いただきました。
ご参加、ご視聴いただきました皆様、ありがとうございました。本記事ではイベントの内容を以下にご紹介します。


開催目的

大学発のスタートアップ創出や医療領域におけるスタートアップ支援の強化が国をあげて進んでいますが、このような取り組みは医療従事者や医療関係者の間でまだあまり知られていません。今回のイベントでは医療関係者や医療従事者にスタートアップに関する知識を深め、起業やスタートアップに参画することの必要性や具体的な事業化プロセスについて理解を深めることを目的に開催しました。

アジェンダ

Day1

スタートアップ・起業に関するセミナー(現地・オンライン開催)
テーマ:「なぜ今、ヘルスケア領域において起業が注目されているのか?」
・ヘルスケア領域の最新のトレンド
・大手企業とスタートアップの協業事例紹介
・へルスケア領域の起業事例紹介
・ネットワーキング

Day2

課題を起点とした起業に向けたアイデア出し、ビジネスプラン検討を体験する実践型ワークショップ
テーマ:「起業するときの最初のアイデアはどのようにまとめてスタートするのか?」
・参加者各自の課題意識を起点としたアイディエーション・グループワークを通じたアイデアからビジネスプランへのブラッシュアップ
・アイデアの発表と交流会

Day1

オープニング

国立大学法人東京医科歯科大学 副理事(産学官連携・オープンイノベーション担当) 統合イノベーション機構 教授・オープンイノベーションセンター長である飯田香緒里氏より、TIPにおけるオープンイノベーションに関する取り組みについてご紹介いただきました。

レクチャー 

医療従事者がスタートアップに関わる理由や方法、医療領域におけるトレンドやスタートアップの特徴、そして事業化に向けたアイディア創出方法について、Plug and Play JapanのHealth分野におけるPartner Success Managerである岩崎誠司がレクチャーを行いました。

スタートアップピッチ

⚪︎株式会社スクリエ CEO 岡本 孝博氏

「口腔はじめ全身の時系列変化と機能データ解析と距離(空間)のギャップレスを可視化」

スクリエでは、スマホカメラを活用した口腔内写真の撮影や、画像データを活用した診断サービスを提供しています。歯科業界に特有の課題に取り組むために創業したCEOの岡本氏より、創業初期にどのようなアプローチを取り、どのような経験をしたかをお話いただきました。また、今後改善していきたい点、資金繰りや起業家としての生活についてもオープンに話してくださいました。

⚪︎株式会社TearExo 代表取締役 堀川

「涙1滴でがんマーカー細胞外小胞を高感度・迅速に検出」

分子認識材料を用いたリキッドバイオプシーの研究・開発・製造・販売をおこなっている神戸大学発のスタートアップ、TearExo。代表取締役の堀川氏より、大学時代の研究室での出会いをきっかけに起業した背景、起業前や起業直後に苦労した経験についてお話しいただきました。

それぞれの発表後、会場からは、技術に関することだけでなく、創業メンバーの選出方法や資金調達の方法など、多くの質問が投げかけられました。

Day2

ワークショップ

3人〜4人程度のグループ6組で、各自持ち寄ったアイディアをシェアし、アイデアを合体させて1つに絞り込みました。

その後、中間発表を行い、他のグループからフィードバックを得ました。

アイディエーションはStartup Formulaのフレームワークに沿って行い、ブラッシュアップをしてアイデアを具体化。具体的なペルソナやターゲットに注力し、ニーズドリブンなアプローチを重視したワークショップを行いました。

資金調達や競合優位性についても考慮したうえで、それぞれのグループが最終的なアイデアを発表しました。医師・医療従事者をターゲットとした業務改善、人事評価制度の新しい仕組み、学習補助ツールなど、デジタル技術の活用や、斬新的なアイデアによって生まれた多岐にわたる発表内容でした。

参加者からは「アイディアを決めながらグループで課題について、ソリューションを考えるのが面白かった。もっと時間があればMVPをブラッシュアップできたと思うが、スタートアップが使っている手法を学ぶことができて良かった。」

「起業の知識は全くなかったが、仮説を立てて顧客と検証し、ユーザーの共感を得てアイディアをブラッシュアップする重要性が理解できた」という声が聞かれました。

Plug and Play Japanでは、ヘルスケア分野のスタートアップへの投資をはじめ、アクセラレータープログラムでも国内大手企業とスタートアップとの協業を支援しています。Plug and Play Japanの活動にご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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